○平成17年8月(平成21年8月原文誤植修正)
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いわゆる正義の戦争よりも
不正義の平和の方がいい
井伏鱒二『黒い雨』
戦争によって犠牲となる一般庶民の偽らざる言葉です。
現在の世界を見るとこの言葉の意味を考えさせられます。
この言葉、井伏鱒二の小説から取りましたが、
同内容の言葉がドイツのことわざやセネカの言葉としても伝えられているようです。
平和じゃないとこんな事もしてられないしねえ。
我々には分かった、
世界が二度と元の姿には戻らないことが。
…………
我は死なり。世界の破壊者なり。
おそらく、我々のうちの誰もが、
何等かの形でそんなことを考えていた。
ロバート・オッペンハイマー
最初に原子爆弾の実験に成功したときを、オッペンハイマーが回想したときの言葉です。
引用しているのはインドのヒンドゥー教の聖典バガヴァット・ギーターの一節です。
原文は確か以下のようなものだったかと。
We knew the world would not be the same.
A few people laughed, a few people cried, most people were silent.
I remembered the line from the Hindu scripture,the Bhagavad Gita;
Visnu is trying to persuade the prince that he should do his duty,
and to impress him takes on his multi-armed form and says
Now I am become Death...
the destroyer of worlds.
I suppose we all thought that one way or another.
Robert Oppenheimer
これに関してはくだくだしい解説は不要でしょう。
歴史は繰り返すというのは人間の幻想に過ぎない。
だが悲しいことに、歴史は進歩してゆくというのも、
同じように人間の儚い幻想なのだ。 上白沢慧音
参考(2009.08追記)
・wikipedia:J. Robert Oppenheimer
・オッペンハイマーの証言(J. Robert
Oppenheimer on the Trinity test (1965))